その魚、素手で触って大丈夫?
どうも、フィッシングガイドの湊拓也です!
堤防で釣りをしていると、色々な魚が釣れて楽しいですよね。でも、ちょっと待って!その釣れた魚、もしかしたら危険な毒を持っているかもしれません。
結論から言いますね。
初心者が釣りやすい魚の中には、危険な毒を持つ魚や、鋭い歯で怪我をする恐れのある魚が結構いるんです。でも、安心してください!この記事を最後まで読めば、どの魚が危険で、どう対処すればいいのか、そして意外と美味しく食べられる魚まで、しっかり分かります。
なぜ僕がこんな話をするかというと、僕自身もメーカーに勤めていた頃、知識不足で危ない目に遭いかけた経験があるからです。「知らなかった」で、せっかくの楽しい釣りが台無しになるのは、本当にもったいない!
だからこそ、僕の経験と知識を総動員して、皆さんの安全な釣りを全力でサポートしますね!

毒魚って聞くと、なんだか怖くなってきちゃいました…。

大丈夫!特徴さえ知っておけば、むやみに怖がる必要はありませんよ。
まずは「ヒレに毒がある魚」から見ていきましょう!こいつらは絶対に素手で触っちゃダメです!
【刺されたら激痛】ヒレに毒を持つ魚たち
ここで紹介する魚は、ヒレにある毒棘(どくきょく)に要注意。釣れたときは、絶対に素手で触らず、後で紹介するフィッシュグリップやプライヤーを使いましょう。
① ゴンズイ

夜釣りでよく釣れる、海のナマズみたいな魚ですね。茶色い体に黄色の線が2本入っているのが特徴。幼魚は「ゴンズイ玉」と呼ばれる大きな群れを作ります。
- 危険部位: 背ビレと胸ビレの太いトゲ
- 毒の症状: 刺されると火傷したような激痛が走り、赤く腫れ上がります。重症化すると、めまいや吐き気を催すことも…。
- 食べられる?: 実は美味しい魚です! 毒のあるヒレをハサミで切り落としてしまえば、天ぷらや味噌汁の具にすると絶品なんですよ。
② ハオコゼ

堤防の足元や穴釣りでよく釣れる、カサゴにそっくりな小さな魚。10cm程度の小さいサイズが多いので油断しがちですが、コイツがなかなかの曲者なんです。
- 危険部位: 背ビレのトゲ。頭部のトゲにも毒があります。
- 毒の症状: 小さくても毒は強力で、刺されるとズキンズキンと激しく痛みます。
- 食べられる?: こちらも美味しい魚。唐揚げにすると骨までサクサク食べられます。ただし、調理前にヒレをキッチンバサミで全て切り落とすのを忘れずに!
③ アイゴ(別名:バリ)

平べったい体に独特の模様がある魚。雑食性で、サビキ釣りなどでもよく掛かります。 引きが強いので釣れると楽しいんですが、コイツは全身凶器みたいなものなので要注意!
- 危険部位: 背ビレ、腹ビレ、尻ビレ、全てのヒレのトゲに毒があります。
- 毒の症状: 刺されると数時間〜数日間、激しい痛みが続きます。
- 食べられる?: 食べられます!内臓に少し独特の臭みがありますが、新鮮なうちに血抜きをして、洗い(氷水で身を締める)や塩焼きにすると美味しいです。捌くときは、最初に全てのヒレを切り落とすのが安全ですよ。
④ アカエイ

砂地に潜んでいることが多い、座布団のような魚。投げ釣りで掛かることがあります。 こいつの危険性は、これまで紹介した魚とはレベルが違います。
- 危険部位: 尾の中ほどにある、長くて鋭い毒針。
- 毒の症状: 刺されると激痛だけでなく、血圧低下や呼吸困難など、アナフィラキシーショックを起こす可能性があり、命に関わります。釣り上げた場合、絶対に近づかず、糸を切ってリリースするのが最も安全です。
- 食べられる?: ヒレの部分は「エイヒレ」として食べられますが、初心者が捌くのは危険すぎるので、絶対にやめましょう。
【毒はないけど要注意】ケガの危険がある魚たち
次に紹介するのは、毒はないけれど、鋭い歯やトゲで大怪我につながる可能性のある魚たちです。こいつらも油断は禁物ですよ!
① タチウオ

銀色に輝く刀のような魚で、食べると最高に美味しい人気のターゲット!でも、その口には注意が必要です。
- 危険部位: カミソリのように鋭い歯。
- 危険な点: 釣り上げた後も暴れて、指などを噛まれると、スパッと切れて大出血することがあります。 死んでいると思って油断して触っても、指を切ることがあるので最後まで気を抜かないでくださいね。
- 食べられる?: 極上の美味しさ!塩焼き、刺身、炙り、天ぷら、何にしても最高です。
② エソ

ルアーフィッシングでよく釣れる外道(本命以外の魚)の代表格。トカゲのような顔つきで、見た目で敬遠されがちですが…。
- 危険部位: 無数に生えた鋭い歯と、身の中にある細かい骨。
- 危険な点: 歯でケガをするリスクもさることながら、小骨が非常に多く、知らずに食べると喉に刺さる可能性があります。
- 食べられる?: すり身にすれば超一流の食材に変身します! フードプロセッサーで骨ごとすり身にして、さつま揚げやつみれ汁にすると、プリプリで本当に美味しいんですよ。
🎣 湊のワンポイントアドバイス
- タチウオやエソなど、歯が鋭い魚から針を外すときは、必ずフィッシュグリップで口を掴み、ロングノーズプライヤー(先の長いペンチ)を使いましょう。
- 素手で口を持つのは絶対にNGです!
【最重要】安全対策と応急処置
どんなに気をつけていても、万が一ということはあります。もしもの時のために、正しい知識を身につけておきましょう。
もし毒魚に刺されたら?
ゴンズイやハオコゼ、アイゴなどの毒は「タンパク毒」といって、熱に弱い性質があります。

もし刺されたら、慌てず、騒がず、以下の手順で応急処置をしてください!
- 1. トゲを抜く: 傷口にトゲが残っていたら、ピンセットなどで慎重に取り除きます。
- 2. 毒を絞り出す: 傷口から血と一緒に毒を絞り出すようにします。口で吸い出すのはNGですよ。
- 3. お湯で温める: 我慢できるギリギリの熱さ(43℃~45℃くらい)のお湯に、患部を30分~1時間ほど浸けます。 これで痛みがかなり和らぎます。ヤケドには十分注意してくださいね。
- 4. 病院へ行く: 応急処置をしたら、必ず病院(皮膚科や外科)を受診してください。 特にアカエイに刺された場合や、アレルギー症状(めまい、吐き気など)が出た場合は、迷わず救急車を呼びましょう!
安全に釣りを楽しむための必須アイテム
「自分は大丈夫」なんて思わずに、必ず安全装備を準備しましょう。これらはあなたを危険から守るための、最高の相棒です。
アイテム名 | 役割・使い方 |
---|---|
フィッシュグリップ |
魚の口をガッチリ掴む道具。 |
ロングノーズプライヤー |
先の長いペンチ。 |
厚手のフィッシンググローブ |
万が一の接触から手を守ってくれます。 |
⚠️ 安全のための最重要事項
- 知らない魚、自信のない魚は絶対に素手で触らない!
- 釣れた危険な魚を、堤防や砂浜に放置しないこと。死んでも毒は残りますし、他の人が踏んでケガをする可能性があります。
- ライフジャケットは必ず着用しましょう。
まとめ:正しい知識で安全に釣りを楽しもう!
今回は、初心者が遭遇しやすい毒魚や危険な魚について解説しました。

覚えることが多くて大変かも…。

大丈夫!
最初は「知らない魚は素手で触らず、フィッシュグリップを使う」、これだけを徹底すればOKです!
危険な魚を知ることは、決して怖がらせるためじゃありません。正しい知識という最高のタックルを持つことで、もっと安心して、もっと深く釣りを楽しめるようになるからです。
しっかり準備をして、安全に最高の釣り体験をしてくださいね。
応援しています!👍✨
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